STRATEGIC TRAINING SYSTEM

| トレーニングのホームへ | YYOKOTA.NETのホームへ |

●ビタミンD(カルシフェロール)

ビタミンDにはD2系とD3系がある。いずれも前駆体であるプロビタミンDに紫外線(270〜330nm、最適波長は295nm)を照射するとプレビタミンDとなり、体温でビタミンDに転換(熱異性化)する。

D2系のプレビタミンDはエルゴステロール、D3系はデヒドロコレステロールである。生成したビタミンD2はエルゴカルシフェロール、D3はコレカルシフェロールとよばれる。D2とD3の生理的効力は(D3のみが有効な鳥類を除き)同等である。

・生理作用

ビタミンDはカルシウム代謝と細胞増殖・分化で機能する。

@カルシウムの恒常性維持
血中のカルシウム濃度は10mg/100mlに厳密に制御されている。ヒトでは通常500mgの骨Caの溶出(骨吸収)と沈着が起こり、一方尿や腸管への排出がある。この骨吸収と腸管からのCa吸収に活性型ビタミンDは不可欠である。

A骨のリモデリング
骨ではCaの骨吸収と骨形成が同時に起こって動的平衡状態にある。これを骨のリモデリングという。骨吸収には破骨細胞(osteoclast)、骨形成には骨芽細胞(osteoblast)が関与する。活性型ビタミンDはこれらの細胞の分化誘導に関与するとされる。

B遺伝子発現における機能
ビタミンDは核内受容体VDRを介して遺伝子の転写調節で機能する。VDRはRXRとヘテロ二量体を形成して、標的遺伝子のホルモン配列(VDRE)に結合して機能を発揮する。

VDREは骨芽細胞が生産するオステオカルシン(osteocalcin)とオステオポンチン(osteopontin)、小腸で合成されるCa結合タンパク質カルビンジンD(calbindin D)遺伝子などに存在する。VDRE遺伝子に以上があるために起こる家族性くる病も見出されており、ビタミンD依存性II型と呼ばれる。

 
 
 
Copyright : YUKI YOKOTA