STRATEGIC TRAINING SYSTEM

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●計画性のないトレーニングをしても身体は変わらない?その1

■低予算のフィットネスセンターは急成長している。それは素晴らしいことであるが、これらのジムの1つの欠点は、経験のない者が、トレーニングのすべてを自分一人で理解しなければならないことである。

コベントリー大学に所属する英国の運動科学者は、実験的研究で、適切なトレーニング方法やプログラムを提供しない状態でジムに通うとどうなるか調査した。

■調査

研究者は310人の被験者[平均年齢:43]を募集し、4つのグループに分けた。

・実験が続いた48週間の間、1つのグループはまったく何もしなかった(コントロール群))。

2番目のグループは、フィットネスセンターへは通わなかったが、食事とトレーニングのアドバイスは受けた。

3番目のグループには、フィットネスセンターには通ったが、トレーニングアドバイス、プログラムは提供されなかった。

4番目のグループには、フィットネスセンターに通い、なおかつピリオダイゼーションを含むトレーニングプログラムを受け取った。

内容は、チェストプレス、ディップス、オーバーヘッドプレス、プルダウン、シートロー、レッグプレスなど、基本的な多関節エクササイズで構成されていた。

■結果

トレーニングプログラムに従ってトレーニングを実施した被験者がもっとも除脂肪体重を増加させた。

コントロール群と、スケジュールなしでトレーニングした被験者は除脂肪体重を低下させた。

興味深いのは、フィットネスセンターにアクセスできなかったが、栄養とトレーニングに関する情報を入手した被験者が除脂肪体重を増やしたことである。

またプログラム通りにトレーニングした被験者だけ、体脂肪率を大幅に低下させることができた。

筋力に関しては、フィットネスセンターへのアクセスを取得した両方のグループで増加した。(独学グループのフォームが気になるところですが、体組成は向上していないですし、代償動作で挙げていると予想します。)

■結論

結論は明らかである。

「筋力トレーニングは、トレーニングの専門家によって構成、または管理された場合において、より効果的である可能性がある。」

https://bmcpublichealth.biomedcentral.com/.../s12889-018...


●計画性のないトレーニングをしても身体は変わらない?その2

■その1の文献はあくまで一例ですので、勿論、独学で素晴らしい身体を作られている方は少なからずいると思います。

が、ある程度しっかりやろうと思ったら以下のことを一人で行う必要がありますので、少なくともトレーニングのやり始めは信頼出来そうなトレーナーさんを探したほうが効率が良いかもしれません。

■現状の分析

・体重、体組成、サイズの推移評価

・姿勢、筋肉のバランス、歪み、可動域の評価

■目標の設定

・短期、中期、長期の目標設定

■戦略(目的)の選定

・目的の具体化

@生活の中でのトレーニングの位置づけ(身体を変える場合は、トレーニングを優先順位の上位にもってくる必要がある)

Aトレーニングにおいての優先順位づけ(ダイエット、機能改善、パフォーマンス向上、ボディデザインなど)

B部位毎の優先順位(弱点の改善、強みの強化、どのようにして全体のバランスを取っていくか、など)

C大きな歪み、複数の代償動作を起こしている場合は、身体を一旦リセットするために、発端(根本の原因)となっている箇所を探し、そこからすべてをひとつずつほどいていく。

■戦術(アプローチ)の選定

・トレーニング戦術

@トレーニングを行う環境づくり(設備、時間帯、気温、湿度)←自分が快適な環境が作れるように調整できるものは調整していく。

Aプログラムの構成(分割、種目、種目数、種目の順番、部位の組み合わせ)

Bトレーニングの強度、頻度、ボリューム

C各種目のセット数、テンポ、インターバル

Dトレーニング器具の使い分け(バーベル、ダンベル、ケーブル、マシン、チューブ、自重、徒手抵抗)

Eトレーニングのフォーム(可動域の調節、動作中の肘、膝、指の角度、方向、姿勢、重心、重心移動、身体の使い方、呼吸の仕方)

・食事戦術

(食事のタイミング、量、頻度、食べ合わせ、食事のサイクリング、活性酸素、糖化対策、腸内環境の調整、効果的なサプリメントの摂取の仕方)

・内部、および外部環境の調整

・姿勢と呼吸の調整

・筋肉、筋膜、関節の調整

・ストレッチ(強度、頻度、ボリューム、テンポ、可動域、負荷の調整)

・ストレスマネジメント

・自律神経、睡眠の調整

・心循環、抹消循環の調整

■実施

・戦略、戦術の実施

@トレーニングサイクル、トレーニングプログラムの作成

Aトレーニングの準備、トレーニング前の身体の調整

Bトレーニング前の食事、サプリメント摂取のタイミング、量、食べ合わせ

C筋バランス、筋出力向上のための筋肉調整

D電解質バランスの調節

E自律神経の調節

Fメンタルセッティング

Gトレーニング記録のつけ方

■結果の評価

・戦略、戦術の修正、改善

など、考えなくてはいけないことが沢山あります。

一旦プログラムを組んでも、途中で調子が崩れた場合にセーフティーネットも用意しておきたいですし、そこから修正していけるだけの引き出しもほしいです。

それを試行錯誤していくのがまた楽しいんですけど、試行錯誤して楽しめるのはトレーニングが習慣化してから、のような気もしますし、まずは習ったほうが早いと思います。