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たんぱく質は炭素、水素、酸素、窒素からなる有機化合物で、体内で構造たんぱく質(筋肉など)の合成、筋収縮、心肺機能、免疫機能の維持など生理学、生化学的な働きに関わっています。またインスリン、成長ホルモン、インスリン様成長因子Iなどを合成する上で重要な役割をもっており、これらは筋発達、筋細胞の修復、筋力の増加、筋細胞への栄養の取り込みなどに必要とされます。

たんぱく質の構成

たんぱく質はアミノ酸によって構成されています。

アミノ酸はエネルギー、細胞の修復、筋肥大、脂肪の燃焼など様々な生理学的プロセスに関与しており21つに分類されます。そのうち8つが必須アミノ酸、7つが条件付必須アミノ酸、6つが非必須アミノ酸です。

必須アミノ酸は体内において合成できないアミノ酸で食品から摂取する必要があるアミノ酸です。
必須アミノ酸
バリン* メチオニン
トリプトファン リジン
スレオニン ロイシン*
フェニルアラニン イソロイシン*
* 分岐鎖アミノ酸(BCAA)

条件付必須アミノ酸は病気や怪我、ストレス下などの状況において体内で適度な量合成することが出来ないアミノ酸の事を指します。
条件付必須アミノ酸
チロシン グルタミン
タウリン システイン
プロリン アルギニン
ヒスチジン

非必須アミノ酸は体内で必要量合成できるアミノ酸です。
非必須アミノ酸
セリン アスパラギン酸
グリシン アスパラギン
グルタミン酸 アラニン

タンパク源となる食べ物

完全たんぱく質

不完全たんぱく質

ホエイ

野菜類
カゼイン 果物
牛乳
穀類
牛肉 オーツ麦
チーズ パスタ
鶏肉 ナッツ類
パン
ヨーグルト ひまわりの種
カッテージチーズ  
七面鳥  

たんぱく質を含む食品は大きく完全たんぱく質と不完全たんぱく質に分けられます。完全たんぱく質とはすべての必須アミノ酸を含むたんぱく質で、不完全たんぱく質は必須アミノ酸が不足しているたんぱく質のことを指します。どれかの必須アミノ酸が不足していると体で十分に利用できませんが、このような時はいくつかのたんぱく質食品を一緒に取ることによってそれぞれの不足分を補うことが出来ます。


ホエイプロテインとその同化作用

ホエイはかつて乳製品を生成する際にでる副産物として酪農業者が廃棄していた部分でした。その栄養価の高さから廃棄の場所や方法も考慮しないと生態系に影響を与えるといわれ、処理にも困っていたほどですが、この十数年ほどで、ホエイのもつ生物学的栄養価の高さや有用性が認められ、現在ではナンバーワンの蛋白源としてアスリートをはじめ、多くの人々にプロテインサプリメントして利用されています。

ホエイプロテインは大きくホエイプロテインコンセントレート(WPC)、ホエイプロテインアイソレート(WPI)、ホエイプロテインハイドロライゼート(WPH、加水分解ホエイ)の三つに分けることが出来ます。

WPCはホエイを一度フィルターを通してろ過したもので、乳糖や脂肪を含み、50〜80%のたんぱく質を含みます。一度フィルターに通しただけなのでWPIやWPHと比較すると乳糖や脂肪、灰分、変性たんぱく質などの所謂不純物が含まれ、吸収率やたんぱく質含有率はWPIやWPHと劣ります。コスト的にはWPIやWPHと比較してもかなり安いです。またWPCには免疫向上たんぱく質などが含まれるため、タンパク含有率云々を抜きにしたメリットもあります。

WPIはWPCから乳糖、灰分、脂肪などが取り除かれた状態でたんぱく質の含有率が90〜97%を誇ります。イオン交換処理、クロスフローマイクロフィルター処理されたものがより吸収率が優れているといわれています。WPIはWPCからさらに処理されている状態なので不純物がほとんどなく、吸収率、タンパク含有率という点では言うまでもなくWPCを凌ぎますが、コストの面ではその分高価になります。WPCよりさらに処理されるのでその分免疫たんぱく質の量も少なくなります。

WPHは酵素によって加水分解したものでたんぱく質がすでにジペプチド、トリペプチドの形で存在しており、吸収率の速さではWPIやフリーフォームアミノをも凌ぎ、その80%が胃から小腸、血中へと運ばれていくといわれています。ただその吸収の早さゆえ、大量摂取すると下痢などの症状を引き起こす可能性もあります。またペプチド状にまで分解されているため免疫たんぱく質をほとんど含まない、独特の苦味があるなどの短所が挙げられます。このような特徴からしばしばWPIと併用して利用されることが多いです。WPHは520ダルトン(分子量)の状態が最も効果的なフォームであるといわれています。

以上、それぞれのホエイプロテインのタイプをみてきました。

それぞれにメリット、デメリットがあるため、起床時やトレーニング直後などにはWPI&WPHを利用し、就寝前、間食などにおいてはWPCを利用するといったように時と場合によって上手に利用していきましょう。

おまけ:

チーズが作られるときに固まりになる部分はカゼイン、水分になる部分はホエイです。

カゼイン:カゼインは牛乳に含まれる主なたんぱく質で胃酸の働きによってカードと呼ばれる固形物となり、ゆっくり消化されます。あまり効率よく消化されないといったほうが正しいかもしれません。硬い状態のカードはハードカード、柔らかい状態のカードはソフトカードと呼ばれ、ソフトカードのほうがハードカードに比べて容易に消化されます。

カゼインプロテインに含まれるたんぱく質はアミノ酸の変性を防ぐため低温処理されておりハードカードが多く、牛乳は短時間、高温殺菌、均一化(機械によって脂肪分(脂肪球)を砕き、蛋白質粒子も細かくすること)によって処理されているためソフトカードが多いそうです。牛乳はソフトカードが多いのですが高温処理などにおいてたんぱく質が変性している可能性があり、あまり良い蛋白源とは呼べないかもしれません。ハードカードであるカゼインプロテインは・・・です。


プロテインまるわかりシート
定義 すべての動物の細胞の成長と修復に必要とされるアミノ酸が構造ユニットである窒素化合物。
化学成分 (元素) 炭素・水素・酸素・窒素
エネルギー収量 1グラム当たり4カロリー
分類 アミノ酸: 体の様々な細胞、酵素、血液中の蛋白質などを形成するのに必要な単位体
ペプチド:2個以上のアミノ酸がペプチド結合したもの。ペプチド結合はカルボキシル基(-COOH)とアミノ基(-NH2)が結合し、水がはずれたもの。ジペプチド(dipeptide)は2分子アミノ酸から、トリペプチド(tripeptide)は3分子から、ポリペプチド(polypeptide)は10分子以上(100-300)からなるもの。10分子以下のはオリゴペプチド(oligopeptide)から成り立つ。
プロテイン(たんぱく質): アミノ酸が結合したもの
基本的な役割 ・たんぱく質は体の成長と回復にとって必須の栄養素である。
・分岐鎖アミノ酸(BCAA)はエクササイズ中の筋肉の分解を抑え、たんぱく質の合成を促進させる必須のアミノ酸である。
・骨格筋やその他の組織のグルタミン含有量は体タンパク質合成を調節しており、細胞内グルタミン含有量が多い場合は体は同化状態にある。逆に細胞内グルタミン含有量が低い場合は異化状態にある。
・個々のアミノ酸は体内で様々な働きをする。
・コラーゲンと結合組織は体内のたんぱく質のうち約三分の一を占める。


生化学反応を触媒する酵素や代謝調節作用を持つホルモン、細胞組織の構成成分、生命維持に欠かせない物質であり、これらは常に作られては壊されている(代謝回転)。

■たんぱく質: アミノ酸が100個程度以上ペプチド結合してできている。

・たんぱく質の変性: たんぱく質の立体構造が元の状態から変化すること(ペプチド結合は切れていない)をたんぱく質の変性(denaturation)という。変性を起こす要因としては、温度、pH、表面張力、凍結、乾燥、アルコールの有機溶媒の添加などが上げられる。

・アミノ酸プール: 生体の中のタンパク質合成は、その材料となるアミノ酸が過不足なく、同じアミノ酸プールに存在しているときに最も効率よく行われるという考え方がある。理想的なアミノ酸組成をFAO/WHO/UNUによって提唱された評価パターンを用いる時、その割合のことをアミノ酸スコアという。

■アミノ酸
・アミノ酸
・ペプチド


 
 
 
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