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●筋・筋膜性機能障害

筋膜は筋の伸張により縦軸方向に引き伸ばされたり、収縮による筋の膨隆により横軸方向に引き伸ばされたりする。筋膜の一部に癒着や瘢痕、ねじれがあると筋の可動性の障害や疼痛の原因になる。

また筋、筋膜の可動域制限があると、筋の萎縮、軟骨の変性、結合組織の基質の損失をきたし、筋膜のねじれ、癒着、循環障害を悪化させ、徐々に不可逆的変化(元に戻らない)を引き起こす。

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【関節の遊び(joint play)と同じように、正常な筋と筋の間には遊び(muscle play)があり、瘢痕や癒着により遊びが障害されると、筋同士の動きが制限させる。治療においては、筋の走行に沿った伸張のみでなく、筋の遊びを改善させることが重要である。】

●筋・筋膜の機能障害は軟部組織移行部におこりやすい。この場所は解剖学的に構造が移り変わっていく部分で重心線はここを通る。ストレスの変化を受けやすい場所であり、機能障害を起こしやすい。

■後頭下関節

この部分は硬い頭蓋から、よく動く頸部への移行部であり、椎間関節の方向も中部頚椎とは異なっている。後頭下関節、環軸関節がありストレスを受けやすい。

後頭下筋群の短縮は頭部前方姿勢を作り出し、頭痛などを多くの問題を作り出す原因となる。

■頸部、胸椎移行部

Th1の上関節突起はより頚椎方向へ向いており、下関節突起はより胸椎方向へ向いている。動きのある頚椎から動きの少ない胸椎の移行部になる。脊柱は頚椎の前彎(ぜんわん)から胸椎の後彎(こうわん)へと変化していく。

第一肋骨が他の肋骨と違う付き方をしており、またそれは斜角筋により上方に引かれている。第一肋骨挙上、胸郭出口症候群の原因になる。

■胸椎、腰椎移行部

椎間関節の方向が、前額面より矢状面へ変わっていく。脊柱は後彎から前彎へと変わっていく。動きの少ない胸椎から動きのある腰椎へと移行する場所である。

棘突起の方向も胸椎から腰椎へと変わっていく。圧迫骨折の好発部位でもある。

■腰椎、仙骨移行部

動きのある脊柱から硬い骨盤への移行部である。椎間間接は再び矢状面から前額面へと移り変わっていく。L5/S1間の椎間板はもっとも楔状(けつじょう)で前方へと引かれる力を受ける。

またL5/S1間の神経孔はもっとも小さく、椎間関節の症状が出やすい。すべり症、椎間板ヘルニアの好発部位でもある。

『マッスルインバランスの理学療法』
『拘縮の予防と治療』