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■魚食によるメチル水銀の有害性

水銀の毒性はその化学形態に大きく依存している。自然界に存在する水銀化合物のうち無機水銀は消化管(小腸)からほとんど吸収されないが、メチル水 銀は容易に吸収される。

体内に取りこまれたメチル水銀は妊婦の胎盤を通じてお腹の胎児に移行し、さらには血液−脳関門をも通過して脳に到達してしまう。

メチル水銀は神経系に作用し、高濃度に暴露するとヒトに神経障害や発達障害を引き起こす。胎児の発育中の脳はメチル水銀に対する感受性が高いため、比較的低濃度の暴露であってもその影響が懸念されている。

そのため、妊娠中のお母さんは過剰なメチル水銀を摂取しないように気を付けた方がよいと言える。

一方、胎児期を過ぎた子どもや大人では、すでに影響を受けやすい時期を過ぎているので、極端に偏った食事内容でないかぎりそれほど心配する必要はない。

■メチル水銀の約8割が魚介類や鯨などの水産物の摂食に由来する。

水銀(無機水銀)は天然にも海水に含まれ、海中のプランクトンによって有機水銀の一種であるメチル水銀に変換された後、食物連鎖によって海棲生物に移行する。

有機水銀は生物に蓄積しやすい性質があり、また食物連鎖によって濃縮されるため、海中の食物連鎖の上位にある肉食動物(特にマグロ、カジキ、サメなどの大型魚類、キンメダイ などの深海魚、ハクジラ類などに比較的高濃度に蓄積される)ほど高い傾向がある。そのような水産物を沢山食べるとメチル水銀を多く摂取することになる。

http://www.iph.pref.hokkaido.jp/chariva…/2010_08/2010_08.htm
https://jccu.coop/food-safety/qa/qa02_02.html

■魚食によるメチル水銀の健康リスクは過大評価されているのではないかという文献もある。

【魚から高度不飽和脂肪酸やセレンなどを多量に摂取することで、これらの成分がメチル水銀の蓄積や毒性発現の機序に作用して毒性を軽減する可能性がある。】

水俣病のように、メチル水銀の中毒事例から予想すると、低濃度のメチル水銀の長期曝露によって脳神経系や心臓・血管系の分化・発達異常が生じる可能性がありうるが、実際には魚食によって微量なメチル水銀を摂取し続けても、メチル水銀中毒は生じない。

https://www.jstage.jst.go.jp/…/kagakutose…/50/11/50_807/_pdf

●メチル水銀の多い魚と言っても、マグロ以外はそうそう食べる機会がないと思うので、余程極端な食生活を送らない限り、そこまで心配する必要はないのかなと思います。