STRATEGIC TRAINING SYSTEM

| トレーニングのホームへ | YYOKOTA.NETのホームへ |


●メディカルトレーニングセラピー(medical training therapy : MTT)について、その1

■【メディカルトレーニングセラピーとは、「損傷を来した部分のトレーニング、身体全体のトレーニング、予防、損傷しやすい肢位でのトレーニング」であり、具体的には「関節の可動域、筋力、持久力、協調性、日常生活などの改善、適切な患者教育」を意味する。】

現在、リハビリテーションでは、いわゆる個別リハが主流ではあるが、その際に必要な細かな運動処方、運動療法の確率は、いまだに不十分な現状にある。

【人間は、いかに柔らかく、強く、長く、スムーズな動きが出来るかが、日常生活においてもスポーツや仕事においても重要な要素である。】

特に人間の身体生活における動きやすさには、筋肉や関節の柔らかさをベースにしたフレキシビリティ(柔軟性)と筋力をベースにしたスタビリティ(安定性)、さらには持久力や神経筋の協調性が重要である。

■MTTのゴールは、

@疼痛軽減

A関節機能と運動パターンの改善

B持久力、筋力、協調性改善

C支持基底面を狭く、高くしていく

DADLとスポーツ動作の改善

E機能損失の代償

F新しい傷害の予防

G体脂肪の減少

?軟骨、腱、靭帯、筋の耐久性改善

である。

■MTTの実施としては、

@エクササイズの選択(筋力検査と運動強度、反復回数の検査と決定、セット数の決定)

Aセラピストによるエクササイズのデモンストレーション

B患者が模倣し、セラピストが修正

C禁忌の把握

などが重要となる。

■運動中の大原則

@痛みをおこさせない

A過負荷にしない(コントロールできないほどは、という意味だと思われる。)

B運動中は疲れをおこさせない(疲労すると、集中力も欠如して、代償動作がでる)

C諸家の報告により反復回数は若干異なるため、○○%of RMは目安とし、繰り返し可能なだけの回数行って休息する。

Dセット間は呼吸が落ち着くまで、あるいはATPの回復まで90-120秒以上休む。初心者の場合は、2-5分休ませる。

E局所筋に対する運動には休息日を置く。

持久力トレーニングの場合24-48時間、求心性筋力トレーニングの場合48時間、遠心性筋力トレーニングの場合72時間、パワートレーニングの場合、72時間は感覚を置く。

『系統別・治療手技の展開 改訂第3版』竹井仁、黒澤和生 編集


●メディカルトレーニングセラピー(medical training therapy : MTT)について、その2

■筋力トレーニングプログラムの実際

筋力トレーニングプログラムに関しては、実際にはレベル1-5に分けて行う。

・レベル1では、トレーニング内容と効率的な動きを教える。また神経筋再教育、固有受容器促進、協調性獲得を目的に実施する。

回数は可能な限り反復するが、45秒を越えると集中力が低下するので注意する。

・レベル2は、1日間隔で、3/週は実施する。4週で12ユニット、6週で18ユニットが可能となる。

・レベル3で、60%を選択したら10回で疲労し、90%を選択したら1回半で終了した場合、最低3-20回は行う必要があるので、60%で行う。

例えば、上腕二頭筋で60%を選択したら10回で疲労したが、1日おきに1週間行った結果、21回できるようになれば、次の負荷にあげ、また回数を増やしていく。

12-18ユニット終了すると、筋は太くなるが、協調性にはややかけるので、同じ方法だけを行い続けるのでなく工夫する。

・レベル4では、エネルギー再生に時間を要するので、2-3日間隔で行う。筋は太くならず(※やり方による)、スピードを備えた筋力がつき、協調性もよくなる。【様々なトレーニング方法を、様々な筋で行うことが大切である。】

・レベル5は、筋の質を向上させるための締めくくりである。例えば、1日の最後にプール内運動や集団ゲームを行う。

『系統別・治療手技の展開 改訂第3版』竹井仁、黒澤和生 編集

●身体の評価やテストをして、プログラムを作って、見本を見せて、トレーニングしてもらって、修正する、これってほぼほぼパーソナルトレーニングですよね。

【言わずもがなですが、ウエイトトレーニング(レジスタンストレーニング)って、適度に、適切にやる分には、身体に様々な良い影響を与えることが出来ます。

(※運動強度、持続時間、頻度、期間の4条件が揃うことが必要。すなわち、正しい方法で継続すること。)

やり用によっては、トレーニングだけで身体を整えることだって可能です。】

MTTの概念は、リハビリの延長線上でトレーニングを行う人、健康目的でトレーニングを始める人は勿論、

長年トレーニング強度を上げすぎてボロボロになりかけている人にも、何らか現状打破のヒントになる部分があるかもしれません。

自分も25年ぐらいトレーニングしていますが、怪我で著しくパフォーマンスを落としていく方(自分のクライアントさんではないです)を沢山みてきましたので(汗)。