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筋膜を構成するコラーゲン繊維の変化

筋膜の種類とコラーゲン繊維

筋膜には、筋全体を覆っている最外層の筋上膜、いくつかの筋繊維を束ね、それを覆っている筋周膜、さらには個々の筋繊維を覆っている筋内膜の3種類が存在する。中でも筋内膜が筋の伸張性に深く関与している

その主要構成成分はコラーゲンである。コラーゲンは棒状の繊維性タンパク質で、それ自体には伸張性はないが、網目状に織り成された繊維網を形成することで伸張性を生み出している。

個々のコラーゲン繊維には可動性があり、強く伸ばされてもコラーゲンの分子同士が架橋(クロスリンク)と呼ばれる橋かけによって結合しており、それ以上引き伸ばされることはない。

架橋はコラーゲン分子の末端に生成され、成長と共にある程度の強さ、硬さのコラーゲン繊維に成熟する生理学的架橋と、分子の末端ではなく分子間にランダムに生成される老化架橋がある。老化架橋はしわの原因や血管の硬化、関節が動きにくくなるなどの老化現象にかかわっていると考えられている。

コラーゲンの量的変化

頭部外傷後遺症で長期寝たきり状態にあり、重篤な拘縮を呈したいたケースにおいて、本来は筋細胞が存在する部位は繊維化が進み、緻密な結合組織で覆われ、散見される筋細胞のほとんどは細胞浸潤が認められ、壊死にいたっていた。

骨格筋の不動はコラーゲンを増加に基づく繊維化を助長する可能性が高く、拘縮の一病態であると推測される。

コラーゲンの質的変化

概ね一ヶ月程度の不動で筋内には分子間架橋が生成されたコラーゲンが増加する傾向がうかがわれる。

従って、不動という環境は、筋内コラーゲンに対して分子間架橋の生成を促す可能性が高く、このことが筋の伸張性低下を招き、拘縮へと発展すると推測される。

「筋力をデザインする」より
 
 
 
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