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●ドーピングの危険性その1

■アナボリックステロイドの濫用による低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の一例

要旨:症例は32歳, 男性. 両側精巣萎縮と性欲 減退を主訴に2006年2月9日に当科を初診した。問診より1999年からのアナボリックステロイド(AAS)の濫用が判明した。

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身体所見では両側 精巣容積が13mlと萎縮していた。内分泌的検査では黄体化ホルモン, 卵胞刺激ホルモン, 総テストステ口ンは低値であり, 遊離型テストステロン(Free T)は高値だった。

また後日判明したsex hornomne binding globulin(SHBG)も低値であり, 算出されたca1culated Bioavailable testosterone(cBAT)も低値だった。

一以上の所見からからAASの濫用による低 ゴナドトロピン性性腺機能低下症と診断 した。AASの中止のみで経過観察を行ったが改善を認めなかったため, 5月18日より週1回 のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)3,000単位筋肉注射を開始した。

【その後6月22日に内分泌学的検査を施行したが自覚症状, 内分泌検査所見ともに改善は認めていない。AASの濫用により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症 となることが知 られており, 一部の患者ではAAS中止後も性腺機能低下症が改善しないことが報告されている。】

本症例においてはhCG注射を早期に開始したことが早期に精巣機能を改善するかどうかについて今後の注意深い観察が必要である。また本症例の病状を把握する上ではfree TよりもcBATを 用いることが有用だったと考えられた。AASには多くの重篤な副作用があ り安易な使用は控えるべきである. またAASの副作用に関しての広い啓発により濫用を防ぐことが必要と考えられた。

https://www.jstage.jst.go.jp/…/jpnjurol1…/99/7/99_7_729/_pdf

■アナボリックステロイドのドーピングが生体に及ぼす影響について

先行研究や我々の調査では、蛋白同化ステロイドホルモン(以下AAS)を利用するスポーツマンか存在していると予想される。しかしながら、その副作用についての詳しい報告、特に血液生化学的、内分泌学的、病理組織学的検索を総合的に行われたものはあまり見あたらない。

我々はアンチドーピングの精神に基づき、動物実験系を用いて、現在Dopingとして行われている使用方伝(スタッキング、ステロイドサイクル)を取り入れ実験を行った。

その結果、血液生化学的検索では薬物投与群に赤血球数などが高値を示した。また内分泌学的検査では薬物投与群でテストステロン、ジヒドロテストステロン、エストラジオールか高値を示した。病理学的検索では心臓、精巣および副腎に変性が観察された。

さらにAAS投与ラットにジャンプトレーニングなどの運動を行わせた実験では、AAS投与による副作用は同様に起こることが確認され、さらに赤血球の増加、心臓の肥大、GOT、LDHの上昇などの副作用が運動によって助長され、より強く現れることが確認された。

ステロイドサイクル1サイクルのピーク時と比較して、休薬時にも薬物投与群の内分泌学的変化は継続しているものと考えられる。AASの注射薬としての半減期に依存するものであるが生体への影響は長期間続くものと考えられる。また心臓をはじめとした臓器にみられた変性がこれを裏付けているものと考えられる。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13680047/

■テストステロンおよび他のタンパク同化ステロイドの乱用・依存症リスク

FDAは、テストステロンやその他の処方用タンパク同化ステロイドに関し、警告の追加および乱用・依存症に関する新たな情報追加のラベル改定を承認した。テストステロンおよび他のAASは、アスリートやボディビルダーを含む成人・青年で乱用されることがある。

高用量のテストステロンは、重篤な心臓・脳・肝・精神・内分泌系副作用を生じさせる。報告されている副作用には、心発作・心不全・脳卒中・うつ・敵意・攻撃性上昇・肝毒性・男性不妊症が挙げられる。

依存症患者では禁断症状も報告されており、うつ・易疲労感・易刺激性・食欲低下・性欲低下・不眠症が見られる。新たな警告では、処方者に対しテストステロン乱用の危険性と心臓・精神に対する重篤有害事象発生を注意喚起するとともに、乱用が疑われた際に血中のテストステロ濃度の測定が重要であることも記載される。

https://www.medicalonline.jp/news.php…