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BCAAのさらなる可能性

●ロイシンはユビキチンリガーゼの阻害による筋肉の減少を抑える。
Leucine attenuates skeletal muscle wasting via inhibition of ubiquitin ligases. Muscle Nerve. 2010 Jun;41(6):800-8.
ロイシンのサプリメンテーションは不動によって起こる筋肉の分解を押さえる。E3リガーゼの遺伝子発現が最小限に抑えられることによって、ユビキチン-プロテアソーム系によるタンパク質の分解をダウンレギュレートさせる。

●イソロイシンが脂肪燃焼を促す?
Isoleucine prevents the accumulation of tissuetriglycerides and upregulates the expression of PPARalpha and uncoupling protein in diet-induced obese mice : J Nutr. 2010 Mar;140(3):496-500. Epub 2010 Jan 20.

イソロイシンは肝臓と筋肉のPPARα1を刺激し、脂肪細胞にあるPPARα1を抑制させる。またイソロイシンはUCP2,UCP3を活性化させる働きを持つ。

●動物実験においてBCAAが寿命を延ばす?
Branched-chain amino acid supplementation promotes survival and supports cardiac and skeletal muscle mitochondrial biogenesis in middle-aged mice. Cell Metab. 2010 Oct 6;12(4):362-72.

BCAAサプリメントは中高年マウスのミトコンドリアの生物発生、心臓、骨格筋細胞、心筋、骨格筋のサーチュイン1の遺伝子発現を増加させた。尚、脂肪細胞、肝臓においては増加しなかった。これは持久力の向上を助けるだけではなく、活性酸素種 (ROS)防衛システムをアップレギュレートし、ROSの生成を減らすことを意味する。

またヌル変異(機能喪失突然変異)マウスにおいて、BCAAが媒介した作用は内皮NOシンターゼを大きく低下させた。これらは哺乳類のミトコンドリア発生によって、BCAAがアンチエイジングにおいて重要な役割を果たすことを示す。

●ロイシンの最も効果的な摂取量

ロイシンを体重1kg当たり0.261 g摂取したときに最もタンパク合成が増加した。これは体重85kgであれば、22 gに相当する。





●BCAAは筋肉痛(DOMS)を軽減させる。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20601741
プラセボと比較してBCAAを摂取することにより、トレーニングによって筋細胞がダメージを受けた際に増加する血清ミオグロビン、好中球活性化の指標となるエラスターゼ(免疫細胞に作用する酵素)の増加を抑えることが出来た。これらはBCAAサプリメンテーションがトレーニングによる筋肉痛を軽減させる可能性を示している。

●ロイシンは同じ食事量でも、UCP3の合成を促し、脂肪燃焼を助ける
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/56/6/1647.long

ロイシン摂取によって、骨格筋、BAT(褐色脂肪細胞)、WAT(白色脂肪細胞) 中のUCP3の発現が増加し、食事量は減らさなかったにもかかわらず、安静時エネルギー消費量が増加した。

ロイシン摂取は、グルカゴン、糖原性アミノ酸の血漿濃度を減少させ、肝臓の※グルコース6フォスファターゼ(Glc-6-Pase)の働きをダウンレギュレートさせ、インスリン感受性を改善することによって、高脂肪食に起因する高血糖を抑制する働きもある。また小腸におけるGlc-6-Paseの活動も抑制させると言われている。

※ コーヒーに含まれるクロロゲン酸も同様の働きを持つ。

 
 
 
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